交際費税制の変移

本日は、交際費税制の変移についてお話したいと思います。

平成25年税制改正大綱で、中小法人にかかっていた600万円以下の部分の1割の
損金不算入がなくなり、上限金額も拡大し、800万円以下の交際費は
すべて損金算入できる見通しとなりました。

注意すべきは、以下の点です。

①平成25年4月1日から平成26年3月31日までに開始する事業年度の適用開始予定

②資本金1億円以下の法人でも、資本金5億円以上の法人等との間にその法人等による
 完全支配関係がある法人等を除く

財務省のデータ(2012年1月)によると、下記のように国によって差異があるにせよ、
損金算入・不算入に関しては例外や特別な枠が設定されている国が多いようです。

■アメリカ

原則、交際費の50%を損金不算入(ただし、贈答品は1人当たり年間25ドルまで損金算入可)

■イギリス

全額損金不算入
(ただし、宣伝用の少額贈答品は1人当たり年間50ポンド※約7,500円まで算入可)

■ドイツ

30%を損金不算入(贈答品35ユーロ※約4,500円)

■フランス

原則、損金全額算入
(ただし、接待費用については年間6,100ユーロ※約79万円、贈答費用については
 年間3,000ユーロ※約39万円を超えた場合には、申告時に明細書の提出が義務づけられる)

制度の変更についてアメリカを例にすると・・・

・以前は100%損金算入

・1986年のレーガン税制改正で20%を損金不算入

・1993年のクリントン税制改正で50%を損金不算入

日本では、以下のように変移しています。

<平成15年度改正>

・中小法人の資本金条件が、5,000万円以下から1億円以下に

・損金不算入割合が20%から10%に

<平成18年度改正>

・交際費等の範囲から5,000円以下の飲食費を除外

<平成21年度改正>

・定額控除限度額を400万円から600万円に引き上げ

<平成25年度改正>

・定額控除限度額を600万円から800万円に引き上げ

・10%の損金不算入措置の廃止

交際費のルールを見ると、その国の景気や世相が見えてくるようにも思えます。