有償支給材

本日は、有償支給材についてお話したいと思います。

有償支給材の目的は、外注先に材料を無償で支給すると、外注先の材料管理を
自社で行なわないと先方でずさんになりやすく、材料の無駄や不良品が出やすくなるためです。

有償支給材とはいえ、材料の外注先への売却に他なりませんから、
当然消費税は課税されます。

今回の消費税の増税で製造業の経営者の方が指摘されたのは、
「何で5%で支給した有償材を8%で買い戻さなければならないのか?」といった疑問です。

3月に支給した有償材には、5%の消費税がかかりますが、
4月に加工を終えた材料を引き取る時は、8%の消費税がかかることへの違和感です。

理屈では、5%の仮受消費税から8%の仮払消費税を引いて多く支払った仮払消費税は、
製品の売上等の仮受消費税から控除され、結局国へ支払う消費税が減少しています。

そして、外注先へ支払う消費税が増えるので、結果は同じです。

しかし、外注への支払いが増えるために、経営者の方はどうも納得しがたいようでした。

3月に5%で売上げた製品が4月に返品された場合は、5%の消費税での返品になります。

有償支給材も支給した材料の返品のような感覚を持つようです。

解決策としては、以下の通りです。

有償支給材は、支給した時には売上が立ちます。

ですから、月末に外注先に在庫として残っている有償支給材を確認し、
一度すべて返品してもらうことにするのです。

そして、月初に在庫分を改めて支給したことにすると、3月分は5%で支給し5%で返品を受け、
4月分は改めて8%で支給したことになります。

この方法は、月次の外注費を正しく把握するためにも必要です。

なぜなら、有償支給材は売上とはいっても多くの場合、外注費のマイナス項目で
処理されますから、こうすることによって、有償支給材が多い月と少ない月で
外注費が左右されることがなくなります。