厚生年金基金後の3つの選択肢

本日は、厚生年金基金後の3つの選択肢についてお話したいと思います。

平成26年4月より厚生年金基金の行方を決める法律が施行され、
今後10年かけて厚年基金制度を廃止することとされました。

それぞれの厚生年金基金は、代行部分の純資産額の積み立て状況に応じて3つに分けられ、
区分に応じて用意された選択肢の中から今後の対応を決定することになります。

厚生年金基金加入事業所は、どのようなことを検討するべきでしょうか?

改正後は加入している基金の純資産額の積み立て状況を基準に、
次のように3つにわかれます。

①代行割れ(積立比率が1.0未満) → 特例解散・精算型解散

特例解散とは今後5年以内に解散を促進することとして解散の要件を緩和した措置で、
解散時の一括納付が困難な事業所には分割納付を促進し、連帯債務条件も外します。

分割納付金利も国債に連動した低利とし、今後30年間の延長も認めるとしています。

ただし、納付計画書を提出し、認定を受けなければなりません。

②代行割れ予備軍(同1.0以上1.5未満) → 他制度へ移行または通常解散及び解散命令

③健全な基金(同1.5以上または純資産÷最低積立基準額が1.0以上) → 他制度へ移行または存続

②と③の他制度への移行とは、解散後の上乗せ給付分の受給権保全のための積み立て分を
他制度に移行しやすくする特例が設けられ、社員数300人以上の企業であれば事業所単位で
確定給付企業年金へ移行もあります。

300人未満なら、中小企業退職金共済へ移行できるようになりました。

他には確定拠出年金制度もあります。

代行割れ基金は約4割・予備軍は約5割・健全な基金は約1割です。

過去の運用環境の変動と受給者の増加が、代行割れを招いたと言われています。

しかし、代行割れ基金に加入している企業にとっては、今まで社員が上乗せ年金をもらえる
と信じて積み立ててきたのですから、「上乗せはなくなりました。廃止するのに負担金をお願いします」
と言われても納得しがたいものがあります。

そのままにしておくこともできず、今後の深刻な問題となっています。