今後の地方公会計の推進整備

本日は、今後の地方公会計の推進整備についてお話したいと思います。

平成26年4月30日に総務省より「今後の地方公会計の整備推進」が公表されました。

これは,平成22年9月より開催されていた「今後の地方公会計の整備推進研究会」の
最終報告として取りまとめられたものです。

日本の公会計のモデルとしては、平成19年に総務省から公表された
「総務省方式改訂モデル」と「基準モデル」というものがありました。

しかし、その他の方式(東京都方式)なども混在している状況でした。

そこで、地方公共団体の財務諸表作成の「統一的な基準」を設定することで、
以下の3つを促進することとしています。

①発生主義・複式簿記の導入

②固定資産台帳の整備

③比較可能性の確保

今後は「統一的な基準」の周知等を行い、平成27年1月頃に地方公共団体に要請を出し、
以後、移行期間3年をめどに地方公共団体における「統一的な基準」による
財務諸表作成を目指しています。

この研究報告書では、以下の「財務4表」のひな形を公表しています。

①貸借対照表

②行政コスト計算書

③純資産変動計算書

④資金収支計算書

①貸借対照表(固定配列法)

固定資産(事業用・インフラ資産) 固定負債(地方債他)
                流動負債
流動資産         純資産

②行政コスト計算書

経常費用(業務・移転費用) 経常収益(使用料等)
            臨時利益(資産売却)
臨時損失(災害復旧)       純行政コスト

③純資産変動計算書

純行政コスト          前年度末純資産残高
資産評価差額等         財源(税収・補助金)
本年度末純資産残高

④資金収支表

前年度末資金残高        業務支出・臨時支出
業務収入・臨時収入       投資活動支出
投資活動収入          財務活動支出
財務活動収入          本年度末資金残高

ここで移行作業のポイントとなるのが、固定資産台帳の作成です。
(単式簿記ではFS作成に必要がない書類でした)

現行でも管理目的用の「公共資産台帳」がありますが、
金額情報が不足し、網羅性の確保もされていない自治体が多いようです。