本日は、サザエさん一家の銅像に課税!?についてお話したいと思います。
平成25年6月12日の新聞に「サザエさん一家の銅像、課税対象に商店街困惑」
という記事が掲載されました。
東京都世田谷区の桜新町商店街の名物「サザエさん一家」の銅像12体に、
固定資産税58万9,200円が課せられたというものです。
固定資産税と言っても土地等に係る固定資産税とは異なる、
減価償却する資産(機械等)にかかる「償却資産税」が課税されました。
第一の論点は、所有者と用途です。
固定資産税は、所有者課税の税金です。
「人的非課税」と「用途非課税」の二つの非課税があります。
前者は、所有者が国・地方公共団体の場合は課税しないというものです。
後者は、公共用途などの資産を非課税とするものです。
今回の「サザエさん達」は、商店街振興組合がPR目的(商業用途)で
所有していると認定され、課税対象となった訳です。
この商店街振興組合は、商店街振興組合法で規定により法人格が与えられ、
法人税法上でも「協同組合等」として納税義務者となります。
第二の論点は、償却資産税なので「非償却資産」に該当するかという点です。
法人税実務でも「創業者の胸像」は、製作者が美術年鑑等に登載されている場合
または素材が貴金属である場合、「時の経過により減価しないもの」として
減価償却資産から除かれます。
そうなると、償却資産税の対象からも除かれます。
これに該当しなければ、「PR目的の看板」と同じ「償却資産」となります。
報道だけでは事実関係は分かりませんが、商店街振興組合は法人税の納税義務がありますので、
「サザエさん像」を償却して、減価償却費として経費化していたと思われます。
そうでなければ、償却資産税の対象とはなりません。
法人税と償却資産税のどちらを取るか、悩ましい問題です。