少額非課税投資制度

本日は、少額非課税投資制度についてお話したいと思います。

税制改正では、現行の上場株式等の譲渡損益及び配当に対する10%課税の軽減措置が
本年末をもって廃止となり、平成26年1月以降は、倍の20%課税になります。

この改正のままでは、大衆課税になってしまうということで、
「少額投資非課税制度」というものを創設し、投資規模500万円程度の人については、
課税対象外としました。

日本版ISAと言われるものです。

個人が退職後の生活に備え、長期にわたって配当を得るなど
資産をじっくり増やし、家計の資産形成を促す制度というのが、
「少額投資非課税制度」の趣旨とされています。

「貯蓄から投資へ」などという呼びかけにその気になって、投資額500万円程度の個人が、
投機的に株式市場に参入したら、プロの餌食になり、個人資産を食い物にされるだけです。

そういう意味では、この新制度は投機的参入には適していないので、
趣旨に沿っていると言えそうです。

この制度では、個人が年間1口座を開設し、そこにその年内に100万円以内の株式投資をすると、
5年間はその株式からの配当や売却益に課税されません。

さらに、5年にわたり毎年100万円以内の非課税口座の追加設定ができ、
非課税扱いの投資枠は最大500万円とされています。

途中での売却は自由ながら、口座枠の再利用投資はできません。

非課税口座を開設することのできる期間は、平成26年から平成35年までの10年間です。

この制度は、当初10年の非課税期間として平成22年に創設されました。

しかし、20%課税の実施と表裏の関係のものとして施行予定されていたので、
10%課税の期間が延長されつづけている間は陽の目を見ませんでした。

立法はされていても、永遠に施行されないかもしれないような制度でした。

しかし、そんな中で毎年のように制度改正だけは少しずつ行われて、
いよいよ平成26年から実施されることが確実になったところです。

実施と運用と利用状況に応じて、今後も手直しが続けられるものと思われます。