本日は、固定資産税と日数按分についてお話したいと思います。
日数按分により負担調整をする取引の例として、不動産の売買に際しての
固定資産税の負担按分があります。
次は、固定資産税に係る仕訳例です。
■固定資産税支払時
固定資産税 140 現金 140
■土地譲渡時
現金 10070 土地 9000
売却益 1000 固定資産税 70
■土地取得側
土地 10000 現金 10070
固定資産税 70
経過利子については一般に元本と別建てで認識するのに対して、
配当は配当含みで元本株式の価格として認識します。
固定資産はどちらに近いのでしょうか?
確実な按分計算が出来るという点で、経過利子に近いことは明らかです。
上記の仕訳は、それを反映したものです。
利子型だとして、経過利子の時と同じ取扱いになっているかといえば、
当局の扱いは配当型です。
未経過固定資産税は、譲渡代金の一部と主張しています。
年の途中で物納した場合は、申請により納期後の固定資産税は免除されます。
条例による減免です。
減免額は、過剰物納時の譲渡収入にはなりません。
利子型です。
1月1日だけのたった1日だけ所有したことにより、1年間の固定資産税を
負担しなければならないとしたら不合理に決っています。
本来は、法により当局の事務として不合理を調整すべきものです。
現実は、当局は民間の自主的負担調整に委ねているところです。
当事者間で固定資産税負担の調整することの趣旨は、条例減免と同じです。
最高裁判決においても、固定資産税等の不当利得返還請求権を容認しています。
会社分割で資産負債を移転した後に、移転資産に係る固定資産税の按分負担をしたら
非適格分割になってしまうのではないかとの疑問があります。
固定資産税按分の慣行に従うと、他はすべて適格要件充足でも
非適格になるのは不合理だからです。
賦課期日・納税義務者の規定に拘りすぎて、実質を見誤り、
ボタンの掛け違いをして、余計なところに波紋を拡げています。