本日は、ストレッチ目標についてお話したいと思います。
戦略の策定や目標管理制度における目標設定の際、
「ストレッチ目標」というキーワードが使われます。
それは、事業発展のニーズを満たすとともに、意図的に担当者の現状能力から見て
最大限に努力してようやく手が届く目標を設定することを言います。
このようなストレッチ目標の設定は、次のようなメリットを生み出します。
①担当者は、現状と目標の間にある大きなギャップを埋めるため、目標達成プロセスで
新しい発想や革新的な方法を生み出そうと主体的に努力するので、最大限の能力が引き出される。
②目標が達成されると、さまざまな創意工夫や苦難を乗り越えた結果であるだけに、
高い達成感が得られる。
③この達成感は、担当者の「自己実現」という最高位の欲求を満たし、成長させる。
④達成プロセスで生み出した新しい発想法・仕事の進め方・技術・技能の活用方法などが、
再活用可能な経営資源として蓄積される。
⑤会社にとっては経営上の成果が得られるばかりでなく、効果的な人材育成ができる。
ストレッチ目標の効用を現実のものとするためには、経営者・管理者が次の努力を払うべきです。
①経営戦略・経営計画や自部署の役割上「どの業務領域で
どのようなストレッチ目標の設定を期待するのか」、予め検討し方向づけを行なう。
②毎年の目標管理制度上の評価面談などから、個々の担当者が興味・関心を持っている
業務目標領域、そこで活用する強み・伸長させたい能力を整理・把握するとともに、
次年度のストレッチ目標設定へ結び付ける。
③目標達成プロセスでは、ストレッチ目標設定時に本人と合意した創意工夫・能力向上の内容と
目標達成への具体的応用状況に関心を示し、かつ支援を行なう。
④経営者は、ストレッチ目標の設定と達成努力が会社と本人を共に成長させる価値観を
可視化・口頭などにより組織の隅々まで浸透させる。