本日は、高年齢者雇用安定法の改正への企業の対応についてお話したいと思います。
平成25年4月からの高年齢者雇用安定法の改正により、段階的に65歳までの希望者全員
継続雇用の時代となります。
各々の企業は、どのような対応を考えて行くのでしょうか?
日本経済団体連合会から発表された「2012年人事・労務に関するトップマネジメント調査」
からその内容を見てみます。
「高年齢者雇用安定法の改正に伴い必要となる対応」(複数回答)との
質問に対する回答結果の上位10位は次の通りです。
①高齢従業員の貢献度を定期的に評価し、処遇へ反映する 44.2%
②スキル・経験を活用できる業務には限りがあるため、提供可能な社内業務に従事させる 43.6%
③半日勤務や週2・3日勤務等による高齢従業員のワークシェアを実施する 41.0%
④高齢従業員の処遇(賃金等)を引き下げる 30.0%
⑤若手とペアを組んで仕事をさせ、後進の育成・技能伝承の機会を設ける 25.8%
⑥60歳到達前・到達時に社外への再就職を支援する 24.1%
⑦60歳到達前・到達時のグループ企業への出向・転籍の機会を増やす 22.7%
⑧新規採用を抑制する 16.9%
⑨60歳到達前の従業員の処遇を引き下げる 13.3%
⑩従来アウトソージングしていた業務を内製化した上で従事させる 11.7%
雇用の延長に伴う賃金は、上記の⑨にあるように60歳到達前の従業員の賃金を下げて
原資とするとした企業の動きでは、NTTグループは現役の40代から50代の賃金を中心に
抑制すると言う方針を示しています。
しかし、20代の従業員は反対意見が多く、一方60代では賛成意見が多いということです。
「現役世代から見れば賃金を抑えられるのは困る」「企業は原資の捻出に困る」
という事態ですが、賃金設定は各企業の事情により大きく異なり、
これからの大きな課題となることでしょう。