本日は、1500万円の教育費非課税贈与についてお話したいと思います。
今年の税制改正案として報道された、孫への1500万円教育費非課税贈与が話題になっています。
自分の子どもから、当然のように1500万円の贈与が孫にあるものとして話しをされた、
といって悩んでいる人がいました。
また、基礎控除の4割削減による課税強化に対抗する策として、他の親族から
借金してでもすべての孫に1500万円ずつ贈与しようとしている人もいました。
親族間の教育費の贈与は、もともと非課税です。
しかし、必要な都度「直接教育費に充てるために提供されるもの」と
限定的に解されていました。
今回の税制改正の新提案は、この必要な都度・直接の要件を
直系親族に限り、1500万円を限度に解除するものです。
孫が30歳になるまでの学校や塾などに支払う学費や入学金が、非課税の対象になります。
塾や習い事など学校以外への支払いは、500万円が上限ということなので、
1500万円が使いきれないこともありえます。
その場合は、その孫が30歳に達した日に贈与があったものとして、贈与税が課税されます。
「相続税法にある3年以内の贈与の対象にならないか」との疑問を呈する人もいましたが、
法律文がまだ未公表なので、はっきりはしません。
しかし、制度の趣旨からそれはなさそうに思われます。
管理は、金融機関にさせる予定になっています。
贈与を請けた資金は金融機関に預け入れ、教育資金非課税申告書を
その預け入れ金融機関を経由して、納税地の所轄税務署長に提出することから
制度利用が出発します。
また、受贈者は払い出した金銭を教育資金の支払に充当したことを証する書類を
金融機関に提出しなければならず、金融機関はそれをチェックし・記録し、
確認書類を受贈者が30歳に達した日の翌年3月15日後6年を経過する日まで
保存しなければならないとされています。
税制の特典利用には、金融機関のサービスが必要となると、
新たな収益源が金融機関に生まれたことになります。
金融庁は、新制度で贈与を受ける利用者が年間約93万人いると予想。
信託協会では、子育て世代の消費が最大で1兆6000億円拡大すると
試算しているとの報道もあります。