本日は、日数按分についてお話したいと思います。
公社債の売買が行われた時、経過利子が発生します。
法人税では、経過利子の支払いは元本と区別して次の受取利息の未収分として仮処理します。
■債券購入時
有価証券 2000 現金 2048
経過利息 48
■利息受取時
現金 80 受取利息 40
仮払税金 8 経過利息 48
租税公課 12 雑収入 12
■債券譲渡時
現金 2040 有価証券 2000
経過利息 40
上記の例では、債券購入時と利息受取時の「経過利息」勘定は仮処理なので、
消費税課税対象外です。
受取利息の総額は100ですが、非課税売上となるのは40だけです。
債券譲渡時の「経過利息」勘定は仮処理ではないので、受取利息と同じく扱われます。
したがって、非課税売上は経過利息40と有価証券2000の5%の合計140です。
この場合、経過利息40ではなく、有価証券売却益40と仕訳すると、
非課税売上は2040の5%である102になります。
法人税の扱いと順序が同じです。
この扱いは、法人税では通達や質疑応答事例で公表されており、
消費税では国税局職員編著の書籍で公表されています。
上記の取り扱いは法令の直接の定めではないので、
法令の解釈が示されているということになります。
当局が行なう解釈には、一貫性・普遍性が要求されます。
元本や本体価格と別建てされるべき経過勘定的な収入や支出があり、
それが日数按分されるようなものの時は、一貫性・普遍性の要求から
同じ取扱いにすべきです。
日数按分により負担調整をする取引には、不動産の売買に際しての固定資産税の負担按分、
中古自動車売買での自動車税・自賠責保険料などの負担調整があります。
これらの場合にも経過利子の時と同じく、「不動産や自動車の本体価格とは
別建てで処理している場合にはそれを認める」というのが、一貫性のある取扱いです。
しかし、ここが一貫していません。
税実務の争点になっているところです。