税法改正の文書確認

本日は、税法改正の文書確認についてお話したいと思います。

霞が関の省庁は、不夜城の如く、夜遅くまで火が灯っています。

官僚達の仕事の相当部分が、「質問趣意書」に対する「答弁書」の作成に費やされています。

国会報道としてテレビで放映され、新聞その他のマスコミで報道されているような、
国会での議員と政府との質疑のやりとりは、議員の質疑活動のほんの一部です。

そこに登場しない他の国会議員の姿は、なかなか国民の目に届きませんが、
衆議院・参議院のホームページを覗いてみると、紙の上での国会討論が
盛んに行われていることが確認できます。

それが「質問趣意書」で、政府への提出とそれへの答弁というものです。

国会での質疑が尽くしきれなかったものの再質問もあります。

毎年、衆参合わせて千通以上の「質問趣意書」と「答弁書」がやり取りされています。

その中の1つに、平成24年5月7日提出・5月15日答弁の文書で、
事実上の重要な税制改正を確認するものがあります。

配当課税に係る10%(国税7%、住民税3%)の現行制度は、2013年12月31日期限の
時限法規であるが、その期限延長をしないとの内閣総理大臣名での答弁です。

時限立法の法律は、期限到来と共に自然消滅しますので、期限延長しない場合には、
期限延長しない旨の改正新法は不要なのです。

すなわち、政府が何もしないことによってこの規定は消滅し、
本則税率の20%(国税15%、住民税5%)が復元してくることになります。

質問が配当に関してだけなので、株式の譲渡所得についての税率には触れていませんが、
「金融所得間の課税方式の均衡化と金融所得課税の一体化」との前置きをしての答弁なので、
質問が株式譲渡所得についても行なわれていたとしたら、同じ扱いをする旨の答弁に
なっていたと思われます。

台湾立法院(国会)は7月25日、個人投資家が株取引で得た売却益に課税する
関連法案を可決・成立させました。

2013年から実施し、24年ぶりに株式売却益への課税が復活します。

馬英九政権の税制改革の一環ですが、構想が明らかになった3月から株価は急落しています。

日本でも類似の動きなわけですが、日本市場はどう反応するのでしょうか。