保育料・ベビーシッター代等の必要経費性

本日は、保育料・ベビーシッター代等の必要経費性についてお話したいと思います。

サラリーマン訴訟といわれる大島訴訟の第一審では、以下のような判決をしています。

「背広等の被服費の支出も、勤務上必要とした部分を他の部分と明瞭に区分することができる時は、必要経費」

「クリーニング代もほぼ同様」

「散髪代は家事費と認めるのが相当」

共働き夫婦で子供がいる場合、ベビーシッター代は家計の相当な重荷です。

運良く公立の保育園に子供を入れることができても、
時間外保育はベビーシッターに頼らざるを得ません。

子育てばかりでなく、掃除・洗濯等の家事について
家事支援代行サービスに頼まざるを得ない場合もあります。

仕事と家事・育児の3つを同時にこなすのは、至難の業です。

これらには、仕事をして収入を得るための必要経費の性格があります。

米国では、一人親もしくは夫婦共働き世帯で13歳未満の子供がいる場合、
ベビーシッターやハウスキーパーへの支払いのうち最大35%が税額控除の対象になります。

イギリスでは、就労している一人親世帯または夫婦共働き世帯を対象に、
保育士や託児所等に支払われる費用の70%が勤労税額控除の給付額に加算されます。

フランスでは50%が給付付き税額控除となり、ドイツでも20%を税額控除の対象としています。

企業が従業員のために設備を設けて、このサービスを無償提供したら、
単純に経費になり、かつ優遇促進税制の恩恵にも浴せます。

中小企業が、従業員の保育料・ベビーシッター代等を肩代りしたら、
それも単純経費でよいのではないでしょうか?

2年ほど前の自民党の政策提言として、成長戦略・女性の就労支援のため、
ベビーシッターなどへの支出に税額控除を認める「家事支援税制」の導入が打ち出されています。

保育料等の必要経費性への正面からの回答ではありませんが、
前向きな提言と評価できます。