本日は、平成25年の類似業種株価の動向についてお話したいと思います。
平成25年の日経平均は、12月30日に16,320円と年初来高値を更新し、
終値で16,291円となりました。
これは、前年末(10,395円)から56.72%増にあたり、昭和47年(92%)以来の高水準です。
産経新聞によると、世界的にも1位ドバイ(107.69%)・2位アルゼンチン(88.87%)
・3位アブダビ(63.08%)に次いで4位であったそうです。
中でも「証券・商品先物取引業」(+78%)・「不動産業」(+62%)・自動車など
「輸送用機器」(+53%)・「情報・通信業」(+83%)の上昇が目立ちました。
(参考:日興アセットマネジメント)
平成26年2月に国税庁より平成25年の11・12月分の類似業種比準株価が公表され、
1年分の数値が出揃いました。
類似業種株価で年間上昇率(12月株価/前年平均)を取ってみたところ、
次のようになりました。
<高上昇率の類似業種(上位5業種)>
その他の金融業・保険業(中99) 223.2%
金融商品・商品先物取引業(中98) 192.5%
職業紹介・労働派遣業(中119) 160.6%
無店舗小売業(中94) 159.8%
不動産取引業(中101) 121.5%
類似業種株価は上場企業を標本会社に採っているものですので、
概ね新聞報道等の通りとなるのは当然です。
しかし、標本会社からは比準要素がない会社などは除外されていますので、
より高収益の会社がサンプリングされているものと思われます。
一方、低上昇率であった業種は次のとおりです。
<低上昇率の類似業種(下位5業種)>
電気業(中56) 10.6%
その他の食品製造業(小15) 13.0%
パルプ・紙・紙加工製造業(中18) 14.2%
情報通信機器器具製造業(中50) 16.4%
電気・ガス・熱供給・水道業(大55) 17.5%
贈与税申告に用いられる「取引相場のない株式」の評価のベースとなる類似株価(A)は、
前年平均株価と評価月以前3ヶ月の各月平均株価のうち最も低い価額が採用されます。
類似業種121業種中の約半分の58業種は、1年間のどの株価も前年平均以上であるため、
前年平均の株価が採用されることになります。
その他の63業種も、月により前年平均株価が採用されるものがかなりあるでしょう。
このように平成25年分の贈与では、前年平均株価が採られることで高株価を回避できましたが、
景気も堅調との予測もあり、平成26年分の贈与は少し心配です。