年少扶養親族

本日は、年少扶養親族についてお話したいと思います。

「子ども手当」導入に伴い、所得税では平成23年分(住民税では平成24年分)より、
16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)の扶養控除が廃止されました。

従前制度では、夫婦共働きの場合、所得の高い方(適用税率の高い方)の扶養親族につけた方が
明らかに有利でした。

しかし、この改正により住民税の非課税制度に絡んで、年少扶養親族を所得の低い方につけた方が
有利な例も少なからず見受けられるようになりました。

住民税の非課税には、「非課税所得」と「人的非課税」の2つがあります。

(1)「非課税所得」は、所得税の非課税所得がそのまま住民税の非課税となるというものです。

(2)「人的非課税」は、一般のケースでは、次のようになります。

■均等割と所得割の非課税とされる者

①生活保護を受けている者

②障害者・未成年者・寡婦(寡夫)で前年の合計所得金額が125万円以下の者

■均等割が非課税とされる者(生活保護基準3級地)

前年の合計所得金額が条例に定める次の金額以下の者

(本人・控除対象配偶者・扶養親族の数)×基本額28万円+加算額16.8万円

■所得割が非課税となる者

総所得金額等の合計額≦35万円×(本人・控除対象配偶者・扶養親族の数)+加算額32万円

したがって、16歳未満の子が従前制度のような扶養控除が取れないのであれば、
年少扶養親族を所得の低い方(例:パートの妻)につけて、所得の低い方を
住民税の非課税にしてしまえば、家計トータルでの税負担は少なくなるということもあるのです。

ただし、住民税以外のことを考えると、一概に所得の低い方に付けた方が有利とは言えません。

例えば、夫の勤める会社の就業規則に「所得税法上の扶養親族に扶養手当を支給する」とあれば、
年少扶養親族であれ夫につけなければ、会社から扶養手当が出ないケースもあります。

また、国民健康保険や保育料も従前制度の扶養控除があったものと想定した計算をするものもあり、
今まで通り所得の多い方の扶養とした方が有利である例もあります。

加えて、年少扶養親族が障害者であるならば、高所得の方から障害者控除を取った方が良いでしょう。