トップの意思決

本日は、トップの意思決定についてお話したいと思います。

トップが必要な時に的確な意思決定をしなければ、
社業は停滞し、一般に大きな機会損失を招きます。

トップが意思決定をしなければならない局面は、一般に次の3つです。

1.戦略的課題の意思決定

経営戦略を策定する局面で、ある課題(例えば、販売戦略・新製品の開発・設備投資・採用
・財務改善など)を現実の戦略的課題として採りあげる意思決定をすることにより、
その後数年間にわたって社員が重点的に努力する仕事の領域を決定する。

2.課題解決策の意思決定

前項で採り上げた戦略課題について、課題解決策を策定するプロジェクト体制、
また検討された複数の具体的課題解決策について特定の解決策を採用し、
経営資源をどれだけ投入するのか意思決定を行う。

3.実行過程の意思決定

実行過程で、すでに決定した課題解決策・スケジュールでは
「目標とする業績が期待できない」あるいは「予期以上の業績が期待できる」状況となり、
課題解決策の大きな変更が必要となった場合、変更具体策を意思決定する。

的確なトップの意思決定には、市場・顧客・技術・法律の変化など
外部環境変化の的確な状況判断と、人材・資金など内部環境の評価が適時必要です。

中でも重要なのは、内外に存在するリスクです。

リスクとは、ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、
危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念です。

「リスクが大きいほど、それを乗り越えた時の利益は大きい」という先人の経験則があります。

すなわちトップの意思決定を支えるのは、「リスクの認識とそれを乗り越えるトップの勇気」
にあると言えましょう。

トップが意思決定の拠りどころとする「勇気」の根源は、経営理念や会社の歴史の中で
実証された経営基本方針・信念などの社是(新しい企業ではトップの信念に基づく自らの納得)
であり、会社の存続・発展のために、トップから一般社員まで日常的に体現している
企業文化の中にあります。