本日は、固定価格買取と即時償却についてお話したいと思います。
日本での電力買取制度は、2009年11月より自宅等で使う電気を上回る分の電力を10年間、
使用電気料金の約5割増しで買取るという、余剰電力買取制度として出発しました。
2012年7月1日からは、10kW以上の太陽光発電設備では20年の長期にわたる買取期間とし、
余剰ではなく全発電量を、使用電気料金の約3割増しで電力会社が買い取ります。
電力会社の買取費用は「太陽光発電促進付加金」として電気料金に上乗せされて、
電気の全利用者が負担することになっています。
太陽光発電設備の即時償却は、2011年度に再生可能エネルギー発電設備の
早期の導入促進として、「グリーン投資減税」の名の下で導入されたものです。
昨年の税制改正で、2013年3月31日までのものが、2015年3月31日まで期限延長されました。
即時償却制度の対象には、他に風力発電設備・熱電併給型動力発生装置
(コージェネレーション設備)があります。
「グリーン投資減税」の対象となる再生可能エネルギー発電設備には、他に水力・地熱・
バイオマスがありますが、制度利用の中心は圧倒的に太陽光発電設備です。
買取期間の長期性と固定価格という安定性、それが法律で強制されているということ、
さらに公的な設備補助金が受けられる場合があり、設備投資とその投資額の回収計算においては、
予測可能性の高さが保証されています。
税制面でも7%の税額控除又は30%特別償却又は即時償却、
固定資産税の3年間3分の1軽減と最大限の優遇措置が施されています。
これらを売りにして、太陽光発電設備市場に関連する事業者が次々と参入し、
個人の家庭から集合住宅の所有者・事業用設備や遊休不動産保有の会社への
営業活動が活発になっています。
確かに、バブル期に広大な山林や雑種地を買って、処分しようにも買い手の探しようがなかった
不動産の所有者などには、有効活用と節税のまたとないチャンスなのかもしれません。