本日は、パレートの法則についてお話したいと思います。
マーケティングでは、パレートの法則に基づく活動が効率的といわれてます。
「売上の8割を顧客の2割が生み出す」「売上9割を顧客3割が生み出す」
なので、売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行なうよりも、
上位3割の顧客に的を絞った営業活動を行なう方が効率的であるというものです。
金属部品加工業のA社は、BtoB型で100社程度と取引しています。
社長が売上を分類したところ、本で読んだパレートの法則の通り、
上位30社で売上の90%程度が占められていることをつかみました。
パレートの法則に沿って、営業マンを上位30社のAとBクラスに張りつけ、
残りの70社のCクラスにほとんど営業活動をしなくなりました。
数ヶ月後、30社の売上はそこそこ維持されていましたが、
会社全体の売上は低下してしまいました。
慌てた社長は、そこで内勤の営業事務員に
「残り70社のCクラスに電話して、様子をお伺いすること」を指示しました。
売上が低下して、仕事量が少なくなっていたところに、バンバン電話をかけまくりましたので、
少額ではありますが、次々と受注が取れました。
社長は、営業事務員が電話した顧客を訪問し、受注品の仕様打合せをしながら、
同時に要望を聞き出しています。
持ち帰った要望を社内で検討し、解決策を顧客に提案しています。
また、顧客の業界動向を調べ、業界の成長性をつかみ、
会社の将来の方向を見つけ出そうとしています。
こういった情報は、売り上げの金額と関係なく、
多くの顧客を回ることで得られることがわかりました。
パレートの法則は、業界全体が伸びている時には、効率的に受注を伸ばす良い方法です。
しかし、現在のように業界全体が低迷しているような時は、いくら上位30社に張り付いても、
大元の需要がありませんから受注は伸びません。
かえって、広く浅く受注を掘り起こすことが肝心でした。
社長が気づくのが遅く、勉強代が高くつき、今期は減収になる見込みです。