本日は、組織づくりの本質についてお話したいと思います。
「事業が思い通りに行かない」「仕事の問題が次々と起こる」と言った状況に陥った時、
対外的な見かけの合理化を図りたい時など、組織を変えればうまく行くだろうと考えて
組織変更を行なうことがあります。
それが過剰になり、組織いじりをすると、あたかも問題解決の体制ができたと
勘違いすることが生じがちです。
組織は人によって構成されており、その人が組織の目的に叶って、必要最少限かつ
適切に配置され・訓練されている場合に、望ましい機能を発揮します。
例えば、リーグ優勝を狙うサッカーチームには、専門能力が高いストライカー・
ゴールキーパー・ミッドフィルダーなどそれぞれ基本的な役割をもったプレーヤーと、
有能な監督のマネジメントが欠かせません。
その上で、戦況に応じて臨機応変に自分の役割を変え、攻撃に参加したり、
守備的に活躍したりする機動性を発揮することができるわけです。
つまり、組織づくりの本質は、組織の目的に合った少数精鋭の人材が配置され、
その組み合わせが最適であり、戦況に応じて適切にチームワークのあり方を判断して、
機動的に働けるよう訓練されていることです。
したがって、是非とも達成したい戦略目標があって、それに相応しい人材を配置し、
チームとして機能できるようトレーニングを行なってこそ組織ができたことになります。
また、トップの不退転の決意を社内に示すことになります。
つまり、戦略目標策定時が最適な組織づくりのタイミングとなります。
組織づくりの本質は、そこに所属する人とその意識・行動にあるのですから、
トップは次の点に留意することが重要です。
①自社の事業に必要な専門人材・マネージャーを計画的に育成し、
重要な戦略目標を策定した時にいつでも活用できるよう、小さなテーマでトレーニングして、 適性・能力を見極めておく。
②人間関係は微妙で複雑であり・こじれやすいから、組織をつくる時に
マネージャー・メンバーの組み合わせに注意する。
また、スタート後にチームワークの状況を注意深く観察し、
意外な不具合の発生がないかチェックして、障害を取り除く。