出張費のキャンセル料

本日は、出張費のキャンセル料についてお話したいと思います。

業務に伴い出張する場合、ホテル・新幹線・飛行機の予約をした場合には、
出張日よりかなり前に代金の決済を行います。

また、旅行業者に任せた場合でも代金の決済は出張日より前となります。

この時の経理処理は、以下のようになります。

出張費**** / 現預金****

当然に国内出張であれば、消費税は課税取引となります。

しかし、業務の都合で突然キャンセルとなった場合、キャンセル料が発生し、
支払った出張費の一部または全額が戻ってこない場合があります。

一部返金があった場合は、返金分を戻して出張費をマイナスします。

返金がない場合は、いずれにしろ経費ですからそのままにしてしまいがちですが、
「出張費」と「キャンセル料」では消費税の取り扱いが違います。

実は、いわゆる「キャンセル料」といわれるものの中には、下記の2つの性格のものがあります。

①その解約に伴う事務手数料としての性格のもの

②解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のもの

前者の解約に伴う事務手数料としての性格の場合は、解約手続き等の事務を行なう
役務の提供の対価だから課税取引となります。

一方後者の場合には、相手方が本来得ることができたであろう利益がなくなったことの
補てん金だから、資産等の譲渡等の対価に該当せず、不課税取引となります。

そこで、キャンセル料の経理処理は以下となります。

雑損失(逸失利益) / 出張費****
雑費(事務手数料)
現預金(返金分) 

雑損失は不課税取引・雑費は課税取引、返金がない場合は現預金は発生しません。

なお、解約等に際し授受することとされている金銭のうちに「役務の提供である解約手数料等
に相当する部分」と「逸失利益等に対する損害賠償金に相当する部分」とが含まれている場合、
キャンセル料の性格の区別がされていないで一括して授受することとしている時には、
全額を不課税取引として取り扱うこととされています。