人間の欲求と若者の働きがい

本日は、人間の欲求と若者の働きがいについてお話したいと思います。

日本の人材育成の方法は、多くは企業内人材育成重視のOJT方式で、
「仕事をしながら仕事を覚えていく」やり方をずっと行ってきました。

昔は、長期雇用に基づく世代継承性の連鎖を強みとしていたのです。

しかし、グローバル化の波を受け、競争と変化の激しい時代となり、
非正規雇用者も増えてきました。

そして、雇用の安定性人材育成機能の低下が進み、キャリアを積む機会のないままに
年齢が上がって行く現象が増えてきたのです。

人間の欲求には、有名なマズローの5段階説があります。

①生理的欲求(水や食料・睡眠等)

②安全欲求(安心して休める住居・お金)

③所属と愛の欲求(人間関係の繋がりや愛)

④自尊欲求(尊敬されたいという気持ち)

⑤自己実現欲求(成長を感じたいという気持ち)

     
さらに、マズロー説のその後の実証的研究を受けて修正・整理をした理論に
アルダーファのERG理論という説があります。

・Eとは生存欲求:existence

・Rとは関係欲求:relatedness

・Gとは成長欲求:growth

Eの生理的欲求は、餓え・賃金・労働条件等を含むもの。

Rの関係欲求は、自分にとって重要な人々(家族・友人・上司・部下・敵等)との
友好的な関係を保ちたいという気持ち。

Gの成長欲求は、自分の環境に創造的生産的な影響を与えようとする欲求で、
これが得られると人間としての充実感が得られるとされています。

人間の欲求は、まず食べられることが大事で、安心して暮らせる住居と当面の経済力があれば、
お金だけでは欲求を満たせないということと思えます。

衛生要因としての労働条件や所得・職場の人間関係が、納得できる範囲であるなら、
働きやすさから働きがいを若者は求めるようです。

特に、若者はどのくらいこの先自分は成長できるのか・キャリアは積めるのか・
会社の行き先はどうなるのかなどと、頭を巡らせているようです。

このあたりに、若者の3年以内離職の背景があるようです。

若者には、チャレンジさせ・働きがいを与え・それを評価すること(褒める・叱る)が、
成長を感じ・やる気を上げる源となるのかもしれません。