本日は、現場リーダーの育成についてお話したいと思います。
課・係などの現場リーダーは、トップと一般従業員の接点で活躍する、
言わばトップの分身とも言える存在です。
それだけに、トップの問題意識・方針・経営課題・施策を正しく受け止めて、
自部署としての具体的な問題・課題に置き換え、
部下に浸透させて解決を主導できる人材でなければなりません。
言い換えれば、トップの示した課題に基づいて改革推進を図る
意識・実行力が高い積極的なリーダーシップを持った人材を育成し・配置することが肝要です。
「どのように現場リーダーを育成すべきか」のポイントは、以下の点にあります。
・トップ自身が、現場リーダーやその候補者に直接会社の現状や外部環境の変化を踏まえた
経営改革の必要性・経営課題・解決への思い・期待を語りかけ、やる気を高める。
・改革へのベクトルを一致させ、積極的改革への動機付けを行なう。
管理者研修は、このトップからのメッセージから始めます。
次に「現場の問題発見・課題解決のマネジメントをいかに実行するか」、その方法を学習し、
現場リーダー層が自己のマネジメントのやり方を研究し合う場にします。
すなわち、技法だけを学ぶのではなく、トップからの動機付けとセットで
技法と現場改革推進マネジメントの実践方法を学び、自ら考え、研究し合って
実践への決意を固める場とするのが効果的です。
このような現場リーダーの育成は、現場従業員が共通の目標に向かって団結し、
部署間・職場間で助け合いながら改革を押し進め、達成感を分かち合う
強い現場づくりに帰結します。
そして、現場リーダーを核にした全部門を巻き込んだベクトルが一致した改革を
継続して行くと、やがて従業員の積極的・主体的な意識・行動が社内に定着していきます。
組織のタテ・ヨコの風通しが良く、トップの示す経営戦略・経営改革施策の現場展開、
現場からのリアルな問題提起と対策の上申がスムーズに行われる
「トップダウンとボトムアップが噛み合ったスピード経営の企業文化」が形成されます。
企業文化は、「人・モノ・金・情報に次ぐ第5の経営資源」と言われ、
常に外部環境変化に柔軟に適応する経営戦略展開の力となります。