情報サービス産業の実態

本日は、情報サービス産業の実態についてお話したいと思います。

直近の情報サービス産業の状況は、JISA主要企業団体の調査によると、
底を脱したような数字がでています。

・2013年1月~3月 売上高ID:+24.6ポイント / 雇用判断ID:+13.1ポイント

・2012年1月~3月 売上高ID:+21.2ポイント / 雇用判断ID:-13.2ポイント

2013年1月~3月の売上高IDは、昨年同期比3.4ポイントプラス、
雇用判断IDも昨年同期13.2ポイントマイナスから
急速に人員不足13.1プラスへと変化しています。

経済産業省発表の特定サービス産業実態調査によると、
下表のように2年前までの一人当り売上高は伸びていません。

     売上高 従業者  売上高/人

2001年 137,039億円  565,115  2,425万円

2010年 188,437億円  912,284  2,066万円

伸び率   1.38    1.61    0.85

一人当り売上高は、2,425万円から2,066万円へ15.0%減少し、
従業者が売上高の伸び率を上回って増えており、収益性は悪くなっています。

2000年~2012年の間のシステム・ソフトウエア開発業者の倒産は1,697件で、
2012年は221件で過去最多と帝国バンクが報じています。

1,697件の内訳を見ると、業歴別では設立10年未満が45.6%。

負債規模別では5千万円未満54.6%・5千万円~1億円未満15.7%・
1億円~5億円未満23.5%・10億円以上は3.2%で、小規模が多く占めています。

受託開発ソフトウェア業界は、ユーザー企業が元請へ発注し、元請が2次請け、
さらに3次請けへ発注する重層的な構造で、上層ほど収益性が優位です。

一人当り売上高の伸びが期待できず、「新卒採用等で規模を大きくし一人当り経費を薄めるか」
「特化した技術・分野を活かすのか」、これが生き残り策の基本です。

加えて、「大企業ユーザーの取引口座を持っている企業をM&Aし、
その口座を活用して重層構造の上位に登る」生き残り策もあります。