本日は、鈍感な現場についてお話したいと思います。
「鈍感な現場」とは、次のような現場です。
・問題が起こっても気づかず、自ら解決することができない
・問題に気がついてもその原因追求が甘く、改善に手間取る
例えば、次のような現場を言います。
・自社の商品やサービスに顧客が不満を持っていても、営業担当者が気づかない。
・たとえ気づいたとしても、その原因追求や改善がスピーディーに行われない。
・生産現場で不良品が発生しても、原因がなかなかつかめず、改善も進まない。
このような現場は、自ら問題を発見したり・解決する積極的な姿勢や能力を持っていません。
しかし、品質・コスト・安全などの問題は現場でなければ気づくことができず、
改善のヒントを見つけることも出来ません。
したがって、「鈍感な現場」をもっている企業は、自社の商品・サービスに対する
顧客満足度を低下させ、無駄なコストをかけ、人材が育たないなどから競争力が低下し、
結果として売上高・利益が減少し、衰退することになります。
それは多くの場合、現場のリーダーシップの不足が根本的な原因です。
「鈍感な現場」を生まれ変わらせるポイントは、
自己完結的な問題解決能力をもつ現場にすることです。
すなわち、自ら問題を発見し、原因を追求し、改善して効果を確かめる一連の問題解決行動を
自分たちの力でやり遂げることができる現場をつくることです。
それには、トップが少なくとも次の対策を講ずるべきです。
1.現場リーダーとして問題解決能力の高い・現場を引っ張る力量を持った人材を配置する
2.現場の従業員に問題解決の基本的な知識・技法を学ばせる
3.現場でスピーディーな対策の実行ができるよう、思い切った権限委譲を行なう
4.その上で、問題解決の経験を積ませる
このようにすると、トップが打ち出す経営戦略・競争優位確保の戦略をしっかり受け止め、
自らが持つ自己完結的な問題解決能力を十分に使って、競争優位の経営戦略に
貢献してくれる「打てば響く、頼もしい現場」への改革が実現します。