成果主義評価の留意点

本日は、成果主義評価の留意点についてお話したいと思います。

「成果主義評価」という言葉が、企業の人事賃金制度の分野でよく使われていますが、
よく考えて使わないと、とんでもない誤りを引き起こす可能性があります。

役割とは、職位・職務上の責任、すなわち、職責に
業務の拡大・革新等のチャレンジ度を付加したものです。

例えば、営業課長の役割は、営業担当者をマネジメントして、当社商品を販売する
基本的な職責を持ち、かつ、顧客満足度を高めて、売上高・営業利益を向上させることです。

社員の職種・所属部門・職位などに応じて、役割が与えられています。

社員一人ひとりが、自分の役割を主体的に捉えて、能力を発揮し、
成果を上げようとしている企業ほど、競争力が高まることは言うまでもありません。

社長が単純に「我が社は成果主義で評価して・賃金を決める」と宣言し、
社員に努力を求めた場合、社員は「自分の成果を高く評価して欲しい」
「手柄はできるだけ自分のものにしたい」と考えて行動するようになります。

・商品の販売方法でうまいやり方を見つけても、仲間にそれを教えようとしない。

・現場の不良品撲滅ノウハウも仲間の前で発表しようとしない。

そのような自分だけが高い評価を得ようとする・あまり前向きとは言えない
考え方や行動に走ることになりがちです。

その結果、職場のコミュニケーションが停滞したり、チームワークが悪くなり、
会社の競争力を失わせることにまでなりかねません。

実際にこの十数年間、日本の多くの企業が体験してきた失敗なのです。

トップが、管理者・一般社員に対して業績向上への努力を求めることは当然です。

しかし、そのインセンティブとして「成果主義評価」の方針を出す場合は、
成果そのものを評価する以外に、次の点を評価のポイントにするのが大変重要な留意点です。

1.自分の役割に則った、ストレッチな(最大限の努力でようやく手が届く)・
 チャレンジ度が高い成果目標を掲げること

2.自分や自部署が成果を得た方法を仲間や他部署に説明し、社内でより広く活用して、
 みんなで競争力を高めること