本日は、経営事例「従業員を支える」についてお話したいと思います。
若手経営者が集まる懇談会の席上のことです。
室内装飾業S社長が「うちのコーディネーターは、お客様のご要望をちゃんと掴めないで、
このあいだは全部やり直しだよ!」とぼやいていました。
それを聞いていた美容サロン業F社長は、以下のようなことを言っていました。
施術中、仏頂面のジュニア・スタイリストをバックルームに呼んで、
「どうしたの?」と聞いたら、「あのお客様、言うことが変わるのでイヤ」と・・・
「どうしてお客様のご要望がつかめないのかな!」とこれまたぼやきです。
運輸業G社長は、「うちのトラックドライバーが、荷物はそこの奥にお願いと言われた
お客様の声を聞かないで、通路に置いてきてクレームだよ」とこれもぼやき。
その後の懇談会では、「なぜお客様のご要望を従業員がつかめないのか?」が
話題の中心になりました。
わが国は少子高齢化が進み、人口減少時代を迎えているため、お客さまの数が減っています。
規模の大小を問わず、どの業種もお客様の要望を正確につかんで、
売上に結びつけることに苦労しています。
加えて、室内装飾業界や美容サロン業界、そして運輸業界は、
オーバーストア気味で、激しい競争が展開されています。
従業員が勤めている会社に満足していれば、毎日元気よく・明るく楽しく働きます。
逆に、従業員が会社に不満を持ったり、不安を感じている場合には、挨拶も型通りとなり、
お客様の要望を丁寧にお聞きすることなどはうわの空で、どこかに飛んでいってしまいます。
会社を選ぶ際には、給与は最低必要な額以上ということは重視されます。
しかし、会社を辞める時の理由は給与額ではないようです。
理由となるのは、経営者・上司そして同僚などとの人間関係、
仕事のやりがいなどの問題がほとんどです。
結局、お客様を満足させられないのは、従業員を満足させられていない
自分たちの問題だということになりました。