精神疾患と上司の対応

本日は、精神疾患と上司の対応についてお話したいと思います。

最近、厚労省から発表された労災申請に関する調査結果によると、
2012年度に労災認定された人は前年度から150人増えて475人となり、
3年連続過去最多を更新しました。

原因は、過労や職場のいじめでうつ病等の精神疾患が増え、
仕事の内容や職場の人間関係が影響した事例が目立っています。

背景には、医療機関でうつ病と診断される人が増えていることに加えて、
厚労省が具体例等で労災認定新基準を公表し、基準がわかりやすくなり、
精神疾患でも労災申請ができると言う意識も浸透してきました。

労災を申請した人は1257人、4年連続で1千人を超える水準となっています。

労災認定された人のうち、原因別では「仕事内容・仕事量」が最も多く59人、
「嫌がらせ・いじめ・暴行」が55人、「悲惨な事故や災害の体験や目撃」51人となっています。

1ヶ月に80時間を超える時間外労働も原因としては続いています。

しかし、増加傾向にあるのは「嫌がらせ・いじめ・暴行」で、
上司とのトラブルやセクハラを挙げる人が増え、職場の人間関係の難しさを感じさせます。

部下の様子が以前と比べて何かおかしいと感じ、顔の生気のなさ、口数の少なさ、
返事が遅い、週明けの欠勤が多い、ミスが目立つ、人の話を聞いていない、
集中力の低下等が2週間以上続いている時には、心の病の可能性があります。

上司が立派でスーパーマンやナルシストタイプの場合は、
部下のストレス度が最も高いと言われます。

完璧な上司ほど、部下の病気を作ってしまう傾向があるようです。

精神疾患系の部下が職場に生まれないようにするには、
上司としてこれから身につけておきたいのは、メンタルヘルス面での知識です。

部下から心の問題を相談された時にはすぐに解決を目指さず、聞くだけに留め、
励ましはせず、共感や労いのある言葉でストレスを和らげる事が出来れば良いです。

もし理不尽な要望等を言ってきた時にも、その要求の背景を
理解するだけに留めておく姿勢が大事でしょう。

上司こそ、部下が心の健康を崩した時に自分自身が精神的・肉体的負担に押しつぶされないよう、
心の健康管理が重要なのです。