海外帰任(帰国)時の給与計算の留意点

本日は、海外帰任(帰国)時の給与計算の留意点について
お話したいと思います。

海外子会社等に1年以上勤務していた日本人従業員が年の中途で帰任した場合、
いつから居住者となるかですが、原則、帰任した日から居住者となります。

帰国する従業員は、通常、給与の計算期間の中途で帰任します。

仮に給与計算期間が前月21日から翌月20日で10月10日に帰任し、給与の支給日が
10月25日である場合、その給与支払額の中には国外勤務に係る国外源泉所得があることから、
当該支払額を国外勤務分と国内勤務分とに分ける必要があるのではないかとの疑問がわきます。

しかし、給与支給日において居住者である限り、原則、所得の源泉がどこにあろうと
全世界で得た所得に対して課税されます。

それゆえ、給料の計算期間の中途で海外子会社等から帰任し、当該従業員が
給与支給日において居住者となっている場合には、当該給与の支払い額を
国外勤務分と国内勤務分とに分ける意味はなく、国外勤務部分を含めた支給総額が
源泉徴収の対象となります。

したがって、給与支払事務が日本で行われる限り、支払総額の全体を帰任した
従業員(居住者)に対する給与として源泉徴収の対象とする必要があります。

ちなみに、先の例で帰任日を10月10日ではなく、10月21日であったらどうかですが、
結論は同じです。

10月分の給料には国内勤務対応部分がなく、すべてが国外源泉所得になります。

しかし、給料支給日にはすでに居住者であることから、当然に10月分は
源泉徴収にしなければなりません。                       

出国の場合、赴任後に日本国内で支払われる賞与については、支給対象期間に
国内勤務が含まれている場合には、国内勤務期間分と国外勤務期間分に按分されます。

しかし、帰任の場合には帰任日以後居住者となることから、
帰任後支給される賞与に当該賞与の支給対象期間に国外勤務が含まれていたとしても、
賞与支給額の全額が課税対象になります。

帰任後居住者となってから外国の税金を納めても、その税金が
非居住者期間の所得に対するものである場合には、日本の外国税額控除の適用はありません。