厚生労働省は、来年度から65歳以上の高齢者も
新規に雇用保険に加入することができるようにする方針を固めました。
高齢者の雇用を拡大して行く方向で、通常国会に改正案を提出する予定です。
現行の雇用保険制度は、失業した時に65歳未満であれば、
賃金の45%~80%相当額を最大360日受け取ることができます。
65歳以上の場合には、最大50日分の一時金を受け取ることができます。
しかし、65歳以上で転職したり、関連会社に転籍して異動した時などは、
新規に雇用保険の加入ができません。
なので、一時金給付も受け取ることができません。
不公平感を感じていた高齢者もいたことでしょう。
現在65歳以上の雇用保険加入者は、150万人近くいると言われています。
新規加入を認めれば、転職した人たちの不公平感は是正されるでしょう。
改正後の雇用保険の加入には年齢制限を設けず、65歳以上の退職者には
「高年齢求職者給付金」として65歳前から継続して同じ事業主の下で働いていた人と同様に、
失業前に受け取っていた賃金の最大50日分が支給されます。
ただし、加入には「週20時間以上の労働時間」が、
失業給付受給には「直近1年のうち6ヶ月以上の被保険者期間」が必要です。
65歳未満の失業給付は、現行のままの予定です。
65歳以上で加入した人の保険料は、当面は労使とも免除されます。
現在も64歳を超えて雇用されている人の保険料は免除されているのと同様の扱いです。
高齢化の進展で働き続けたい人の割合が増えており、
企業側も人手不足感から高齢者を受け入れる方向に動いています。
厚労省は安易に受給者を増やさないように、給付を申請する65歳以上の方が
実際に求職活動をしているか等を厳しく確認するとしています。
このほか、介護休業を取る人への給付金を
現在の賃金の40%水準から67%に引き上げる方針です。
仕事と家庭の両立を支援していく方向です。