ノーベル賞の賞金

本日は、ノーベル賞の賞金についてお話したいと思います。

今年もノーベル賞が発表され、物理学賞を梶田隆章さん、
生理学・医学賞を大村智さんが受賞することになりました。

日本人が受賞するのは、2年連続・通算23・24人目となります。

暗いニュースが多い中で、明るい話題として国内を盛り上げてくれました。

ノーベル賞の賞金額は、1千万スウェーデンクローナ、日本円に直すと約1億5千万円という大金です。

この賞金については、日本国内では非課税となっているので税金はかかりません。

昭和24年に湯川秀樹博士が日本人初のノーベル賞を受けた際に、
「賞金に課税するのはどうか」という議論が浮上し、法律を改正したからです。

その結果、「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」と所得税法に明記され、
ノーベル基金から支払われる賞金は非課税となりました。

ちなみに、ノーベル賞を受賞すると文化勲章も授与されます。

受勲した方は文化功労者に選任され、終身で年金が支給されますが、
この年金に関しても非課税と所得税法によって定められています。

非課税になるものは、各法によって定められていますが、
賞金の類は、「これは非課税」といった風に個別指定されています。

ノーベル賞以外では、オリンピック・パラリンピックで優秀な成績を収めた人に対する
日本オリンピック委員会等からの賞金など、個々に所得税法に記載があります。

しかし、ノーベル賞のうち経済学賞1つだけは、スウェーデン国立銀行の働きかけで昭和43年に新設され、
賞金はノーベル基金からではなく、同行が運営する基金から支払われることになっています。

所得税法では、「ノーベル基金からノーベル賞として交付される」と明記しているので、
現行制度では経済学賞の賞金は「一時所得」として課税されてしまいます。

今まで経済学賞を受賞した日本人はいないため、単にまだ議論が起こっていないだけといえます。