本日は、バランスシートの配列法についてお話したいと思います。
貸借対照表の資産・負債の並べ方には、ルールがあります。
資産・負債を流動性の高い順から並べていく方法を「流動性配列法」といいます。
その逆を「固定性配列法」といいます。
日本の会社では、「流動性配列法」が一般的です。
この配列法は、資産の換金性や負債の支払期限の長短から流動性の高い順に並べることで、
支払能力を表現するには良い手法とされており、企業会計原則や財務諸表規則で
採用されています。
支払能力が着目される商社などには、正にフィットする配列法です。
例えば、三菱商事の貸借対照表(単体)は、次のような配列になっています。
【三菱商事単体BS(2015.3)】(兆円)
資 産 負債・純資産
流動資産 3.5 流動負債 1.8
固定資産 4.7 固定負債 3.7
純 資 産 2.7
合 計 8.2 合 計 8.2
固定性配列法は、英国・香港・ドイツなどで用いられており、
日本では固定資産が重要視される電気業やガス業で採用されている方法です。
例えば、東京ガスの貸借対照表(単体)は、次のような配列になっています。
【東京ガス単体BS(2015.3)】(兆円)
資 産 負債・純資産
固定資産 1.4 固定負債 0.6
流動資産 0.4 流動負債 0.4
純 資 産 0.8
合 計 1.8 合 計 1.8
近年では、IFRS(国際会計基準)を導入している上場企業の連結貸借対照表における
固定資産・固定負債は「非流動資産・負債」という区分になり、配列法もさまざまです。
例えば、日本硝子の連結貸借対照表を見てみましょう。
【日本硝子連結BS(2015.3)】(兆円)
資 産 負債・資本
非流動資産 0.6 流動負債 0.3
流動資産 0.3 非流動負債 0.4
資 本 0.2
合 計 0.9 合 計 0.9
資産は固定性(非流動性)配列法、負債は流動性配列法となっています。