消費税の差額処理

本日は、消費税の差額処理についてお話したいと思います。

平成26年4月に消費税が5%から8%に増税されてしばらく経ちましたが、
いまだに時々消費税の訂正処理を見受けます。

経理処理の原則は、取引内容がわかるように処理します。

例えば、1,000円の仕入で8%の課税取引を5%で処理していた場合で、
差額の3%を後になって請求された場合、以下のように
「取り消した取引」と「正しい取引」を総額で記帳します。

<訂正取引>

(買掛金)1,050 / (仕入)1,000
             (仮払消費税)50

(仕入)1,000  / (買掛金)1,080
(仮払消費税)80

現在お使いの経理ソフトは、このような原則処理をすることを前提に
消費税計算の集計を行っています。

よって、次のような処理をすると経理ソフトの集計が狂います。

(仮払消費税)30 / (買掛金)30

取引がこれだけであった場合、正しく処理した経理ソフトの集計は
以下のように表示されます。

仕入5%▲1,000円 消費税▲50円
仕入8% 1,000円 消費税 80円 

しかし、差額だけを処理した場合、仕入5%も8%も0円・消費税30円となり、
仕入と消費税の関係のつじつまが合いません。

1年間の経理処理は大量になります。

決算時に上記のような差額だけの処理があると、
経理ソフトの集計表のつじつまが合わなくなります。

そして、その原因が差額処理なのか・単なる間違いなのかを解明することは、
大変難しくなります。

経理担当者がいる場合はまだしも、社長や奥さんが経理ソフトの入力もしているような場合では、
元の取引を探し出して、総額で訂正する作業はかなりの負担になります。

そこで、消費税調整勘定を設定することをお勧めします。

差額は3%と決まっていますので、3%で割り返した金額を両建てするのです。

(買掛金)1,050 / (消費税調整a/c)1,000
             (仮払消費税)50
(消費税調整a/c)1,000 / (買掛金)1,080
(仮払消費税)80