本日は、中小企業の海外直接投資における現地派遣者の資質について
お話したいと思います。
海外に生産拠点を有する中小企業において、海外派遣者の選定は
当該プロジェクトの成否を握る重要な事項です。
中国・東南アジアでの事業展開では、日本本社の海外工場ではなく、
現地子会社を設立することとなります。
日本本社と現地子会社は、それぞれ個別の法人格を有し、独立した経営を営むこととなります。
したがって、現地に派遣する人の資質が問われることとなります。
今回は、現地派遣者の資質について見てみたいと思います。
日本本社と現地子会社は、それぞれ個別の法人格を有しており、
現地企業の経営者が日本本社の意向に反した経営を行なうことは可能です。
現地企業の経営者は、銀行取引印鑑を管理しおり、巨額な資金を支出することも可能です。
それを恐れて、日本本社が管理や支配を強めると、
現地採用社員のやる気がなくなっていくことも懸念されます。
現地派遣者には、現地企業の経営者とその経営者を補佐する人(常駐・非常駐・出張ベース)
とに分けられます。
当たり前のことですが、経営者には現地経営ができる人を派遣してください。
現地企業では生産計画を遂行するだけでなく、人事労務・地元政府との交渉・調達
・取引先開拓など、瞬時にいろいろなことを判断していかなければなりません。
経営者をサポートする常駐者が少ない中小企業においては、
工場長タイプの人を経営者として派遣しても、現地企業の経営は難しいと思われます。
また、現地に着任してから学習することは難しいことから、
派遣前の研修も重要となっています。
派遣者は、現地企業の経営者とその経営者を補佐する人(常駐・非常駐・出張ベース)といった
職位に関係なく、現地社員をリードし、同社が持つ強みを発揮できる
現地企業を作りあげていくという使命を負っています。
派遣者には、以下のような資質が求められます。
①明るい、真面目、マメ、我慢強い
②歴史・文化を尊重し、理解しようとする姿勢
③少しでも言葉を身につけようとする態度
④現地人から信頼される態度(襟を正す)
⑤主張をしっかり行なうが、相手の面子も重んじる 等