電話加入権

本日は、電話加入権についてお話したいと思います。

長年帳簿に載っていて、その存在がほとんど無視されている「電話加入権」について、
改めて再確認しておきましょう。

電話加入権は、NTT東日本・西日本の加入電話回線を契約・架設する権利のことです。

相続や企業の合併・分割等、契約者の意思表示によらない・法的事実により
権利が移転する場合は、手数料無料で名義変更ができます。

譲渡や遺贈等、契約者の意思表示で行なう権利移転については、
手数料を支払うことで名義変更ができます。

屋内配線工事に要した費用等、電話機を設置するために支出する費用も、
電話加入権の取得価額となります。

電話加入権は譲渡可能な権利であり、また権利内容は時間の経過によっても変化しないため、
法人税法上では「減価償却のできない無形固定資産」とされています。

実際の価格(NTTに支払う費用の名称は「施設設置負担金」で、これを支払うと
電話加入権が発生する)を見てみると、1968年に3万円・1971年に5万円・1976年に8万円
・2005年に37,800円と様々に変化しています。

特に、近年は携帯電話の普及に伴い、NTT以外の電話加入権販売会社を利用すると、
1万円台で購入できるケースも存在します。

少額で、権利としての認識も薄くなってきておりますが、
税務上いまだ経費処理は認められておりません。

企業会計上で電話加入権を簿価計上している企業も多いですが、
近年は時価会計を行なう例も多いようです。

この場合は、簿価と時価の差額を減損します。

電話加入権を使わなくなった際は、利用休止が出来ます。

電話加入権そのものが、休止「5年経過後」加入権の再取得(転居)のため
どこかの市町村に引越しをした時、新たに番号取得ができない電話加入権に該当すれば、
全額を損金処理できます。

「転売可能」「新規に電話を引く場合に利用可能(施設設置負担金が不要)」であることから、
帳簿からの除却には慎重になったほうがよいでしょう。