本日は、標準化の効果についてお話したいと思います。
品質管理の分野に「標準化」という考え方と管理技術があります。
よく知られているように、「均一な品質のモノを決められた時間で効率よく製造するために、
モノづくりの手順・方法を決めること」を標準化といいます。
生産の能率を上げ、さらには自動化へ進めることで、コストダウン・不良の低減などの
効果があります。
第二次世界大戦後に日本では自動車産業を代表として、製造業における「標準化」が
大いに進展しました。
サービスの分野でも、「標準化」は大きな効果をあげています。
例えば、JRをはじめ日本の鉄道会社の列車運行・発着時間管理に使われるダイヤの
編成・管理技術は世界一流です。
朝のラッシュアワーに、分単位で小刻みに発着させる都心の列車運行でも
事故なく驚異的な精度で管理されています。
それは、品質管理・標準化先進国・アメリカから初めて日本にやって来た人が
ビックリし感心するほどです。
また、経営管理の分野においても、顧客満足の追求や環境安全の確保のために
ISOなど標準化が進められています。
このように「標準化」を進めると、一般に次のような効果が生まれます。
1.期待通りの出来栄え・能率が期待でき・実現できるので、
顧客・企業双方にとって成果が保証される
2.企業は「標準化」して節約できた分の時間を、「標準化」が難しい創造的な仕事に投入して、 人材を有効に活用し、付加価値を高めることができる
経営において「標準化」の効果を最大限に活用し、
デメリットを回避するには、次の点に留意すると良いでしょう。
1.標準化することによって、手間が省ける業務をリストアップし、
効果の面から優先順位をつけて取り組む
2.「○○経営賞の受賞」に有利だなどとトップが考え、「標準化」を図る方針を示すと、
組織をあげて本来の目的を忘れた形式的で過剰な「標準化」に走ることがあり、
かえって経営効率を落とす可能性があり注意を要する。