本日は、労使トラブルについてお話したいと思います。
インターネットの伸展や長引く景気後退の影響もあり、労働者の権利意識も高まり
職場のトラブルが増えています。
厚労省の統計でも毎年100万件を超える労働相談が寄せられています。
使用者と労働者との個人的なトラブルを個別労使紛争と言います。
労働契約や就業規則等で決められることに関してのトラブルでは解雇や賃金に関する事が多く、
最近ではうつ病やパワハラ等が増えています。
企業は防止対策をしておくことは大事ですが、それでも労使トラブルが起こってしまったら、
どのような方法で解決すればよいのでしょうか?
まずは、当事者である事業主と労働者の間で話し合いをすべきです。
しかし、当事者間で解決がつかなかった場合、弁護士会や社会保険労務士会・法テラス
・労政事務所・労働局・労働基準監督署・労働委員会等第三者機関の利用が考えられます。
労働基準監督署は労働者の相談先に使われることが多いのですが、
未払い残業代や長時間労働、労災隠し等についてのトラブルは調査を行いますが、
解雇の有効性や配置転換等の労働契約に関しては管轄外です。
また、未払いの残業代を払わせる権限までは有してはいません。
払わなくても良いということでなく、将来に向けて是正を行ない
監督署と交渉の上、支払額を減らすことも時には可能でしょう。
労働問題を裁判で争うとなると時間と費用がかかってしまいますが、
都道府県の労働局のあっせんは、無料で早期に和解の場を提供する制度です。
労働法の専門家が労使双方の立場を聞き取り、具体的なあっせん案を提示し・解決に導きます。
当人同士が直接話し合う必要もなく、冷静に申し立てが出来ます。
あっせんは1回きりで後がないため、早期解決が図れます。
ただし、会社があっせんに応じるか否かは任意とされています。
あっせんで解決されない時は、労働審判に進みます。
労働審判とはあっせんにはない強制力があり、
訴訟ほど厳しくはないものの裁判なので執行力が発生します。
通常訴訟のように時間や費用がかからず、3回期日と決まっており、
大抵は1回で結論が出て、審理の段階で調停が成立しています。